ColorEdge CS2400S レビュー

24インチColorEdgeモニターで初めてのUSB-Cコネクターが搭載された ColorEdge CS2400S をお借りして評価した。付属のUSB-C/USB-Cケーブル一本でビデオ/USB/給電をこなす優れもの。ノートPCメインで外出にも持ち歩くワークスタイルにはぴったりの一台。


モニターの電源ケーブルと、USB-Cケーブル1本で完了

スピーカとコードレスマウスはモニターのUSBコネクターに接続

したので出勤・退勤時はUSBーCケーブルを抜き差しするだけ

2023年2月24日、24インチColorEdgeモデルとして初めてUSB-Cコネクターが搭載されたColorEdge CS2400S が発売された。

Apple MacBook Air/Pro ではかなり前から Thunderbolt ポートとしてUSB-Cコネクターが採用され、映像信号とUSB信号のやりとりに加え外付けディスプレイから電力の供給を受けることも可能になっていたが、Windows ノートPCにもUSB-Cコネクターの搭載が一般的になってきて、MacBook Air/Proと同じようにそのメリットを受けることができるようになってきた。

そのメリットは単純にパソコンとディスプレイをつなぐケーブルが一本で済むこと、ノートパソコンの電源アダプターをつなぐ必要が無いことです。

オフィス・自宅のメインPCとしてノート型PCを使い外出の時も携帯するスタイルの場合、抜き差しするケーブルはノートPC側のUSB-Cケーブルのみという簡単さ。これらのメリットを実際に体験するためにEIZOさんから評価機をお借りして使ってみました。

 

私はオフィスでは事務処理を含めすべての作業をMacBook ProとMouse Computerのノート型 DAIV 4Pで行っており、事務所に着くとHDMIケーブル、USBケーブルでCS2400Sの前機種にあたるCS2420-Zに接続し、バッテリーが減るとACアダプターを接続するというスタイルです。CS2420-ZをCS2400Sで置き換えると出勤時に接続するのはUSB-Cケーブル一本ですみ、ACアダプターを自宅に忘れるという心配もしなくてよくなります。

 

Adobe RGBをカバーするベーシックモデルのCS2420-ZはEIZO株式会社ホームページでは「生産終了品」となっているのでCS2400Sがその後継機となります。EIZOダイレクトの税込み価格で1万円ちょいアップになりますが、USB-C搭載(最大70W給電)とUSBハブ機能を使って2台のパソコンでUSB機器を共有できデスクトップをスッキリさせることが出来るので1万円以上の価値があるうれしい進化です。

 

MacBook Air/Pro、USB-C搭載WindowsノートPCをお使いでちゃんとカラーマネジメントしたい方は是非検討してみてください。

 

https://www.eizo.co.jp/products/ce/cs2400s/index.html

 開梱とパソコンとの接続


評価機が届いてまず驚くのは箱の厚みがCS2420-Zと比べてかなり厚いこと。高さと長さも少し大きくなっているが厚みが 22cmから32cmになっています。その理由は箱を開けてみるとすぐわかります。同じ24型のCS2410/CS2420-Zではスタンドのベースが外された状態で梱包されていますが、CS2400Sではベースが取り付けられた状態で梱包されており、ベースの大きさ分箱の厚みが増しています。開梱・梱包時にベースの取り付け・取り外しが不要なので不慣れな人には優しい仕様です。

緩衝材も発泡スチロールから段ボールや新聞紙をリサイクルしたパルプ緩衝材に変更となり環境にもやさしくなっています。

 

CS2400S には4本のケーブルが標準で添付されています。左から電源ケーブル、USB-C/USB-Cケーブル、HDMI/HDMIケーブルとUSB3に対応したUSBケーブルの4本です。

付属ケーブル

自分の環境ではWindowsノートPCとMacBook Proの両方がUSB-Cコネクターを持っているので、どちらもUSB-Cケーブルで接続します。キャリブレーションソフト "ColorNavigator 7" で調整する際はUSB接続も必要ですがUSB-Cだと両方を一本のケーブルで接続できます。

モニター背面の接続コネクター。USB-Cで接続するときは付属のケーブル1本でOK。

パソコン側にUSB-Cコネクターがある場合はこちらもUSB-C接続で。

モニターに付属の電源ケーブルをしっかり奥までつなぎましょう。横の電源スイッチは写真のように  "" が押し込まれた状態にしておきます。

長期間使用しない場合は "" を押し込んで完全に電源を切ることも可能です。

従来はパソコンとモニターの映像信号ケーブル、ColorNavigatorでキャリブレーションするためとカラーモード切替に必要なUSBケーブル、モニターとパソコンの電源ケーブル2本の合計4本の接続が必要でしたが、ノートパソコン側にUSB-Cコネクターがあり給電機能があれば2本のケーブルで完結するのでデスクトップ周りがスッキリします。

 最近のMacはUSB-Cコネクターが主流なので付属のケーブルで接続できますが、USB-Cコネクターが無いMacの場合はMacのディスプレイ接続コネクターに合わせて付属のHDMIケーブルでつなぐか、モニター側がDisplayPort(DP)のケーブルを別途用意して接続することをお勧めします。USB接続は付属のUSBケーブルで接続します。

 

WindowsパソコンでHDMIコネクターがある場合は付属のHDMIケーブルと付属のUSBケーブルで接続します。USB接続はColorNavigator 7でキャリブレーションする際とカラーモードを変更する際に接続しなければなりませんが、モニターの左背面横に4個装備されているUSBポートをUSBハブとして使うことができるので常につないでおくのもいいでしょう。

 USBハブ機能(2台のパソコンでUSB機器を共有)


正面から見て左側面に4個のUSB-Aコネクターが用意されています。

 

上の2つは5Gbpsとデータの伝送速度が速く給電能力も900mA。USBメモリーやモバイルHDDのようなストレージ系デバイスの接続に適しています。

 

下の2つはUSB 2.0でマウスやキーボードのようなスピードが要求されないデバイスを接続するのに適しています。私はここにコードレスマウスのレシーバーとUSB接続のスピーカーをつないでいます。

 

また、2台のパソコンをつなぐ場合これらのUSBポートにつながれた一組のキーボード/マウスなどをビデオポートの切り替えと連動して切り替え共有することができ、デスクトップがスッキリします。

上の例はMacBook ProをUSB-Cポートに接続しWindowsノートPCをHDMIポートとUSBポートに接続しています。USBハブにはUSBキーボード/コードレスマウス/USBスピーカーをつないでCS2400Sの入力ポート切り替えボタンで 画面表示 / USB接続 / キーボード / マウス/外部スピーカー を切り替えています。MacとWindowsで共有する場合は使い易いキーボードを選ぶ必要がありますがWindowsデスクトップとWindowsノートで運用する場合は快適な作業環境が実現できます。USB接続の外部スピーカーの切り替えはノートPCの内蔵スピーカーとのOS上の切り替えに少し時間がかかりますが共有可能です。

バッテリーは大丈夫?

一般的にノートパソコンで使われているリチウムイオン・バッテリーはACアダプターで給電したまま使い続けるとバッテリーの劣化が進みます。給電機能を持つディスプレイと給電機能を持つノートパソコンをUSB-Cケーブルで接続して使う場合、給電しながら使い続けることになりますがバッテリーは大丈夫か気になるところですよね。ノートパソコンのメーカーもしっかり対策しているようです。

 

Appleでは Thunderbolt 3 ポートを搭載したMacノートブックで macOS 10.15.5 以降のものはバッテリー状態管理機能がデフォルトで有効になるとのこと。

https://support.apple.com/ja-jp/HT211094

 

Windowsノートパソコン各社も同様にバッテリー状態管理ツールを提供しているようです。

https://pc.watch.impress.co.jp/docs/topic/feature/1317168.html

 

管理ツールの正しい使い方は各社サポートに問い合わせしてみましょう。

ColorNavigator 7をインストールしてキャリブレーション


CS2400Sをキャリブレーションする手順はCS2740の場合と同じなのでCS2740レビューを参照ください。

ColorNavigator 7 の詳細情報はEIZOホームページを参照ください。

https://www.eizo.co.jp/products/ce/cn7/index.html

キャリブレーションせずにプリントしたかったらQuick Color Match


モニターのキャリブレーションとか面倒なことはせずに作品をプリントしたいという方は「かんたん写真プリント色合わせツール Quick Color Match」が提供されていますのでColorNavigator 7をダウンロードしたときと同じ手順でソフトウェアをダウンロードしインストールして試してみてください。追加で必要な機材としては対応しているCanonあるいはEpsonのプリンターとプラグイン・ソフトウェアです。Phtoshop がお勧めソフトですが、カメラに添付のCanon Digital Photo Professional 4 (Canonプリンターのみ対応)やNikonのViewNX-i, NX Studio、SILKYPIX(Epsonプリンターのみ対応)でも使うことができます。これらをそろえればCS2400Sでもモニターのキャリブレーションをせずにモニターに表示された画像とほぼ同じ色のプリントが簡単に得られます。プリントを見るときに必要な光ですが、安定した質の高い光源として同じくEIZOが用意しているLEDスタンド「Z-208PRO-5000K」を購入して併用することをお勧めします。

https://www.eizo.co.jp/products/ac/led_stand/index.html

Z-208PRO-5000K

Quick Color Matchに関する詳細情報はEIZOホームページを参照ください。

https://www.eizo.co.jp/products/ce/qcm/index.html

 必要に応じて遮光フードを使いましょう


CS2400Sには遮光フードが付属していません。外光が差し込む明るい環境で作業したり部屋の照明が画面に差し込む場合は、別売りの遮光フード "CH2400" を購入して設置することをお勧めします。組み立て作業とかもなく、マグネットで簡単に着脱できます。

 

製品情報はこちら https://direct.eizo.co.jp/shop/g/gCH2400/

 

EIZOダイレクトではLEDスタンドと遮光フードをCS2400Sとセットにしてお買い得価格で提供していますので必要に応じてセット商品を購入するとお得です。

https://direct.eizo.co.jp/shop/g/gCS2400S/