色による情報や感情の表現

我々の生活を豊かにするために様々な情報がテレビ、パソコン、タブレット、スマートフォン、書籍、雑誌、新聞などの異なるメディアで提供されています。ほとんどの場合は、見る人へのインパクトや見易さ、情報の中の優先度を表すために色が使われています。ただ、同じコンテンツを異なるメディアで表現した際に色が異なる場合があります。微妙な違いは許されるとしても、製作者の意図が正しく伝わらないとなると問題です。これらの問題はカラーマネジメントを正しく運用することで解決できることが多いのです。

前職ではカラーマネジメントモニター「EIZO ColorEdge」を全世界のクリエイティブ業界にプロモーションする中で印刷・写真・映像・製造・医療など様々な業界のカラーマネジメント事情を習得してきました。これからもコンテンツ制作・閲覧上最も重要なモニターを中心として、皆様の色に関する問題解決の糸口となるようお手伝いいたします。


印刷

印刷に使われる情報は多くの場合パソコンで制作されます。製作者は何らかの意図をもって色を使い分けて制作しますが、実際にCMYK印刷機で刷られた物では色が違うことがあります。これでは業務としての効率が悪く、余計なコストも掛かることになります。先進的な印刷のワークフローでは、制作段階からパソコンのモニターで印刷の仕上がりを確認しながら制作を進めます。これに使われる手法が「ソフトプルーフ」で印刷の色を制作用のモニター上で正確にシミュレーションすることで実現します。

また近年欧米を中心として色校正紙を廃止し色校正をモニター上に表示したコンテンツで行うという本来の「ソフトプルーフ」が普及しています。グローバル企業が世界展開するプロモーションのコンテンツを元に現地会社でローカライズされた印刷物に展開するとか、印刷だけ費用の安い東南アジアで行うなどの場合、紙の校正紙を制作・提供する必要がない「ソフトプルーフ」が多用されます。日本国内ではまだまだ馴染の薄い「ソフトプルーフ」を業務に取り込んで最先端に躍り出るチャンスです。

写真

デジタルカメラで撮影した画像データをパソコンに取り込んでモニターに表示しても、正確に再現されているのはほんの一部の場合だけです。ただ、自分のモニターだけで見ている場合は正確なのかそうではないのかを判断するのは難しいでしょう。インクジェットプリンターでプリントしてみて色が違うと気付く場合もあるでしょう。問題解決の第一歩は画像データを表示しレタッチするために使用するモニターです。モニターの表示が正確でなければ見る人に伝えたい色を創り出すことはできません。基本性能が優れたモニターをキャリブレーションして使うことが基本で、画像データの正確な色再現と同時に、プリントの仕上がりを正確にシミュレーションすることでプリント作業の効率化と品質向上も実現出来ます。


代表者略歴

1973年  石川県立小松高校卒業
1976年  金沢大学工学部卒業
1976年~1985年 工作機械メーカー勤務 (1977~1978 米国勤務、1979~1981 英国勤務)
1985年~2018年 EIZO株式会社勤務 (1994~1998 ドイツ子会社勤務、2014~2018 EIZOガレリア銀座勤務)
2019年1月 日本旅行写真家協会 正会員登録
2019年5月 カラーマネジメント関連コンサルティングを主業務とする mycolorsp を開業
2019年5月 金沢美術工芸大学 非常勤講師に就任
2020年4月 EIZO認定ColorEdgeアンバサダーに就任