MacBook Proをキャリブレーション

ディスプレイをキャリブレーションする目的はディスプレイの白色点(白の色味)と輝度(明るさ)を使用目的と周囲光を考慮して最適な状態に調整することとカラーマネジメントに必要なICCプロファイルを生成してOSに設定することです。

MacBook Proは出荷状態でディスプレイのICCプロファイルが設定されている数少ないノートPCなので、MacBook Proはキャリブレーションしなくてもいいと誤解されている方が多いようです。しかし、ICCプロファイルは経年変化を無視したものですし、購入直後の白色点は7200K前後でかなり青っぽい設定となっており、どちらかと言うと動画編集よりの設定であって写真・印刷用途に最適とは言えないでしょう。

プロの写真家の間でも人気のMacBook Proを正しく使うために単体使用の場合もColorEdgeとデュアルモニターで使用する場合もキャリブレーションして使ことをお勧めします。

 

注:現時点では MacBook Pro 14インチと MacBook Pro 16インチの内蔵ディスプレイはキャリブレーションできない仕様になっているとの情報が入っています。



 colorchecker DISPLAY PLUSでキャリブレーション


colorcheckerシリーズの4モデルどれでもキャリブレーションできますが、USB-C→USB-A アダプターが付いている colorchecker DISPLAY PROを使ってキャリブレーションしてみました。

 

 ccProfilerをダウンロードしてインストール


MacOS用の ccProfiler を付属のペーパーに示されている calibrite.com/downloads にアクセスしてダウンロードします。MacOS 10.14 - 12.x に対応しているのでお使いのMacBook Pro のOSを確認してインストールします。

 ccProfilerを起動してキャリブレーション


Docに ccProfiler のアイコンが出来ているのでクリックして起動します。

「ユーザーモード」は 簡易 を選択、「アプリケーション設定」で ccDISPLAY PRO  を選択しワークフローで「ディスプレイのプロファイル作成」をクリックして次の画面に移行します。

白色点の選択肢は CIEイルミナントD50, D55, D65, D75のほかに 「色温度を指定...」や「xyを指定...」などがあります。今回は写真表示レタッチからプリントを意識して 「色温度を指定...」で5500Kとします。

輝度は選択肢として 80cd/m2, 100cd/m2, 120cd/m2, 160cd/m2があります。お勧めは80, 100, 120のどれかを周囲の明るさに応じて目が疲れない値に設定しますが今回は 80cd/m2とします。

設定が終わったら、右端の「次へ」ボタンをクリックします。

次の画面は「測定」画面で、右側カラーパッチの上の「測定を開始」ボタンをクリックして測定手順に進みます。

測定準備の画面で左には「ディスプレイのプロファイル」という項目が表示されます。MacBook Proでは輝度調整だけが可能なので「ブライトネス調整」の項目でディスプレイの明るさ調整機能を使って品質インジケータのオレンジ色の針ができるだけグリーンの中央に来るようにします。調整ステップが16段なのでぴったり中央に合わせるのは難しいです。下の方に実際の輝度が数値で表示されますので、80cd/m2に一番近い高めの数値になるようにして「次へ」ボタンをクリックします。

後は画面の指示に従って測定を開始します。118のカラーパッチを測定しますが3~4分程度で終了します。測定が終わったらICCプロファイル作成画面に進み、分かり易いファイル名を付けてプロファイルを保存します。以上でキャリブレーションが終了です。

これでディスプレイの色味と明るさを作業に合わせた状態に調整し、Photoshopなどの画像を表示するアプリケーションソフトウェアにディスプレイの色特性を伝達するICCプロファイルが設定されます。

 

これで初期状態の青っぽい画面から解放されて気持ちのいい作業環境が整います。ただし一回キャリブレーションすればいいというわけではなく、経年変化を補正するために定期的にキャリブレーションを行いましょう。

MacBook Proだけでなく iMacの画面もキャリブレーションすることで快適になります。