calibrite colorchecker DISPLAY PRO / PLUS レビュー

写真・映像制作業界向けのキャリブレーション機器が新しく設立されたキャリブライト社(calibrite)から calibrite colorchecker のブランドで販売が開始された。早速、日本総代理店である株式会社ヴィンチェロ様からお借りして評価した。


 colorchecker DISPLAY PRO と colorchecker DISPLAY PLUS はある程度カラーマネジメントの知識を持っている方がディスプレイをキャリブレーションするために用意されているプロ仕様の製品です。用意されているアプリケーションソフトは ccProfiler でキャリブレーションの設定値、特に白色点の設定は複数の方式が準備されていて自由度が高くなっていますがそれらを理解して正しく設定する知識が必要です。上手に使いこなしてレベルの高いカラーマネジメント環境を作っていきましょう。

colorchecker DISPLAY PRO と colorchecker DISPLAY PLUS の一番大きな違いは、測定可能な最高輝度で、colorchecker DISPLAY PRO は 1000cd/m2、colorchecker DISPLAY PLUS では 2000cd/m2まで測定して調整することが可能です。

現在はまだ最高輝度が1000cd/m2を超えるノートPCやディスプレイは数少ないので colorchecker DISPLAY PRO を買えば十分ですが、2021年発売のMacBook Pro 14"/16" はピーク輝度が1600cd/m2でHDR動画プレビューにも対応しているようです。colorchecker DISPLAY PLUS が必要になる日が予想以上に早いかもしれませんね。

 

注:現時点では MacBook Pro 14インチと MacBook Pro 16インチの内蔵ディスプレイはキャリブレーションできない仕様になっているとの情報が入っています。


 colorchecker DISPLAY PRO / PLUS


どちらの製品もセンサーとクイックスタートガイド、さらにソフトウェアをダウンロードするためのリンクを示すペーパーが一枚。colorchecker DISPLAY PLUS には USB-C→USB-A アダプターが付属するのでMacBook Proをお使いの方には嬉しい仕様になっています。

 

colorchecker DISPLAY PRO(左)      colorchecker DISPLAY PLUS(右)

 ccProfilerをダウンロードしてインストール


colorchecker DISPLAY PRO / PLUS は ccProfilerでのみ使用できるので、付属のペーパーに示されている calibrite.com/downloads にアクセスしてWindow用かMacOS用のどちらかのccProfilerをダウンロードします。

今回はASUSのWindows 10ノートPCにインストールするので Windows版の ccProfilerSetup.exe をダウンロードしてインストールした。

ソフトウェアをインストールしたら colorchecker DISPLAY PRO / PLUSをパソコンのUSBポートに接続します。Windowsはつながれたセンサーを「i1Display 3」として認識するので、X-Rite製の「i1Display Pro」と「i1Display Pro Plus」がベースのセンサーのようです。

 ccProfilerを起動してキャリブレーション


デスクトップに ccProfiler のショートカットが出来ているのでクリックして起動します。

「ユーザーモード」は 簡易 を選択、「アプリケーション設定」でつないでいるセンサーに応じて ccDISPLAY PRO あるいは ccDISPLAY PLUS を選択しワークフローで「ディスプレイのプロファイル作成」をクリックして次の画面に移行します。

次の画面でキャリブレーションの設定をします。

まず行うのはディスプレイ及びディスプレイ光源タイプの選択です。ノートPCのみの場合はディスプレイは一つなので選択する必要はありませんが、ノートPCに外付けディスプレイを接続している場合やデスクトップPCに複数のディスプレイをつないでいる場合は、どちらのディスプレイをキャリブレーションするか選択します。

次はその下のプルダウンメニューからディスプレイの光源タイプを選んで設定します。一般的に液晶ディスプレイでは光源に白色LEDが使われていますので「白色LED」を選びましょう。古いディスプレイだとCCFLの場合もありますので、できればディスプレイメーカーのサポートに確認しましょう。色再現域が広いディスプレーの場合もメーカーのサポートに確認しましょう。

次は白色点と輝度の設定です。ccStudioのように使用目的に応じた「写真」や「ビデオ」のようなお勧めプリセットは無いので、白色点と輝度を選択肢から選んで設定します。

白色点の選択肢は CIEイルミナントD50, D55, D65, D75のほかに 「色温度を指定...」や「xyを指定...」などがあります。印刷関係の方は普通D50(ほぼ5000K)を選択されるでしょうし写真のレタッチがメインの方はD65(ほぼ6500K)あるいはD55(ほぼ5500K)を選ばれるでしょう。作業される部屋の環境光の色温度に応じて調整後のモニターの白が自然な白に見えるように選んでください。「色温度を指定...」では色温度K(ケルビン)で5000K、5500Kや6500Kの設定ができます。

輝度は選択肢として 80cd/m2, 100cd/m2, 120cd/m2, 160cd/m2があります。お勧めは80, 100, 120のどれかを周囲の明るさに応じて目が疲れない値に設定してください。カスタムを選べばそれ以外の数値(40~5000)で設定できます。

設定が終わったら、右端の「次へ」ボタンをクリックします。

次の画面は「測定」画面で、右側カラーパッチの下の「測定手順を開始」ボタンをクリックして測定手順に進みます。

測定準備の画面で左には「ディスプレイのプロファイル」という項目が表示されます。ディスプレイに調整機能がある場合はその調整機能を使うかどうかの設定ですが、「コントラスト」と「RGBコントロール」はチェックを入れないでください。輝度は120cd/m2に設定したいので「ブライトネス」にチェックを入れて「次へ」をクリックします。

左のパネルが表示されたら、ディスプレイの明るさ調整機能を使って品質インジケータのオレンジ色の針ができるだけグリーンの中央に来るようにします。ノートPCの場合はファンクションキーで調整しますが調整ステップが12段程度なのでぴったり中央に合わせるのは難しいです。下の方に実際の輝度が数値で表示されますので、120cd/m2に一番近い高めの数値になるようにして「次へ」ボタンをクリックします。

後は画面の指示に従って測定を開始します。118のカラーパッチを測定しますが3~4分程度で終了します。測定が終わったらICCプロファイル作成画面に進み、分かり易いファイル名を付けてプロファイルを保存します。以上でキャリブレーションが終了です。

これでディスプレイの色味と明るさを作業に合わせた状態に調整し、Photoshopなどの画像を表示するアプリケーションソフトウェアにディスプレイの色特性を伝達するICCプロファイルが設定されます。ディスプレイの色再現域はキャリブレーションによって変化することはありませんが、少なくとも限られた色再現域の中でPhotoshopはできるだけ正確な色再現をしてくれることになります。

 ColorNavigator 7でColorEdgeをキャリブレーションする


colorchecker DISPLAY PRO / PLUS は i1Display 3 として認識されるので EIZO ColorEdgeディスプレイ専用のキャリブレーションソフト ColorNavigator 7 で対応ColorEdgeディスプレイをハードウェアキャリブレーションすることができます。

今はノートPCやMacBook Proを使っているがColorEdgeを購入する予定がある人、今使っているセンサーが古くなって買い替えを考えている人にはお勧めです。

もちろん、ノートPCやMacBook Proは ccProfiler でキャリブレーションし外付け ColorEdge は ColorNavigator 7でキャリブレーションし、色味と明るさを揃えて理想のデュアルモニター環境を構築できます。