カラーマネジメント(カラーマッチング)は楽しい

カラーマッチング カラーマネジメント キャリブレーション

カラーマネジメントシステムとは

正しく理解すれば作業が楽しくなる、レベルは自分に合わせて

名前を聞くと「難しくて自分には無理」と思うかもしれませんが、元々は仕事を楽にするために考えられたものなので、何をすればいいかを正しく理解すれば作業が楽になって楽しくなります。どのレベルまで求めるかも自分で決めて出来る範囲で使えばいいのです。

カラーマネジメントシステム(以下CMS)とは色を再現する方式や色再現域の異なる様々な機器(印刷機、大判インクジェットプリンター、写真用インクジェットプリンター、デジタルカメラ、液晶モニター、など)を効率よく使いこなすために考案された管理手法です。それぞれの機器で再現できる色はその機器特有の表記方法で表されますが、これを機器に依存しない共通の色空間(Profile connection space)で共通の数値(CIE XYZ)で管理します。固有の機器で表現される色と共通色空間の間で色の変換を行うために用意されるのが機器ごとのカラープロファイルで、現在はICC(International Color Consortium)が定めた方式のプロファイル、ICC Profileが世界標準です。自分が使う機器のプロファイルを適切な方法で用意し、これらのプロファイルを認識して正しく色変換してくれるアプリケーション、例えば Adobe Photoshop、を使えば"CMS"を運用していることになります。

画面の色をそのままプリントしたい

✅ 画面とプリントの色が合わない


パソコンのモニターに表示された写真をできるだけ忠実にプリントしたい。それは写真愛好家であれば多くの方はそう思うかも知れません。しかし、現実はパソコンのモニターで見た写真の色と、インクジェットプリンターで印刷した写真の色が違う。そんな経験がある方も少なくないのではないでしょうか?

✅ カラーマネジメントとは?


パソコンの液晶モニターはそれぞれ特性が異なっており、同じ写真を表示した場合でも必ずしも同じ色で表示されるわけではありません。そこで必要になるのが、モニターの色味や明るさを表示するコンテンツや周囲の環境を考慮して最適な状態に調整し、特性をまとめたICCプロファイルを作ってOSに設定する「モニターキャリブレーション」です。Photoshop CCをはじめとする画像処理ソフトのほとんどは、モニターのICCプロファイルからその特性を読み出し、画像を正しい色で表現できるようにモニターへのRGB出力を調整します。これが画像とモニター表示のカラーマネジメントです。ただ、モニターの色再現域や色ムラ・輝度ムラなど、キャリブレーションでは解決できないこともあるので、モニター購入時に十分検討しましょう。

✅ プリント設定は正しいのか?


モニター表示のカラーマネジメントができたら今度はプリントのカラーマネジメントです。インクジェットプリンターでプリントする際はプリンターと用紙の組み合わせ毎にプリンタープロファイルが用意されており、このICCプロファイルを使ってプリントする方法がカラーマネジメントされたプリントです。この方法でプリントする利点の一つは、カラーマネジメントされたモニターでプリント結果を正確にシミュレーションすることができることです。つまり「このプリンターでこの用紙でプリントすると色味やトーンはこうなるんだ」とプリントする前に検証ができるんです。この機能を有効に利用することで、試しプリントや失敗プリントを減らすことができます。

✅ それでも色が合わない


特性の良いモニターをキャリブレーションし、Photoshopで表示・レタッチし、Photoshopによるカラー管理で正しいプリンタープロファイルを設定してプリントしたがまだ色が合わない場合は、プリント見るための光源を確認しましょう。プリントを正しく評価するためにはD50と呼ばれる準標準光源にできるだけ近い特性の光で照らして見ることが重要です。一般的な蛍光灯やLED照明ではプリントの色を正しく見ることはできません。光源を選ぶときの目安は、色温度が5000ケルビンで平均演色評価数(Ra)が90以上のものを選びましょう。Ra値は100に近いほど優秀と言えます。

EIZO Z-208PRO-5000K  (Ra)97

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